1. 花の名前
あなたの心が あふれてしまいそうだ
小さな秘密を 沈めてゆくたびに
待ちわびた季節に しなびた実が弾けて
毎週満月だった 蜜の夜が終わってゆく 無駄に花粉飛ばして
少しだけ眠る あなたの隣で
少しだけ生きる あなたの近くで
あなたの名前が あふれてしまいそうだ
体に琥珀を 沈めてゆくたびに
きまじめな未来に 夏の服を着せられ
最終便へのバスが 泥の海を泳いでゆく 星の裏を目指して
少しだけ眠る あなたの隣で
少しだけ生きる あなたの近くで
四月がもし来ても 薫る風が吹いても 生まれ返らぬように
土深く埋めるのさ その名前を唱えながら 闇へとうずめるのさ
少しだけ眠る あなたの夢見て
少しだけ生きる あなたを忘れて
少しだけ生きる あなたの近くで
ikenoue yousui 2001