5. なで肩

地下鉄で見る夢は いつも同じ季節
花束を撒き散らし 酔って街中を歩いた

すぐに忘れてしまうから
いつか笑い話になるさ と笑った

太陽を追いかける 電車に乗り換えて
楽しげな人が待つ 次の宴へと急ぐ

僕にかけても無駄だよ
カバンの肩紐のようにずり落ちてくよ

十月の雨音みたいに 
優しく拍手を続けてくれた 眠るまで

かじかんだ指先を 祈るように包んで
少しだけ抱きしめてくれた 肩に頬乗せた

ikenoue yousui 2003