コラボレーション

アーティストへの提供曲/他アーティストによる陽水作品の音源
アーティストへの提供曲
シネ・ナントカ(マルカートさんへ)
秋が似合う人(神谷きよみさんへ)
双子どうし(神谷きよみさんへ) (※1)
星のない国(林矢子さんへ)
雪の銀貨(kayokoさんへ)
僕のバス(casaへ)
鷹匠(古賀夕紀子さんへ)
女性の文字盤(植田慶介くんへ)
雨雲過ぎたら(ううじんへ)
三つ目の猫(キッチンへ)
羊飼いのうた(千春さんへ)
デッサン(スエヒロカズヒロくんへ)
パ・ド・シャ(犬塚彩子さんへ)
チョーチョ(犬塚彩子さんへ)
ばら園(犬塚彩子さんへ)
灯台へ(犬塚彩子さんへ)
パヴァーヌ(ariさんへ)
コム・デ・ギャルソン(伊澤啓太郎くんへ)
他アーティストによる陽水作品の演奏
雪の銀貨(featuring kayoko)
パヴァーヌ(featuring ari)
新しいビール(featuring 島崎智子)
三つ目の猫 (Short Version)(featuring キッチン)
※1:ブログ「アーティストへの提供曲」には神谷きよみさんあてとして掲載されている一方、『母音』曲目リストにも名前を連ねています。ここでは両方に掲載しています。(2010.6.9.なかむら@オヤスミ)

シネ・ナントカ

 詞 池の上陽水
シネ・ナントカ(マルカートさんへ)
 
ほんの小さなことで ダメになりそうだ僕ら
眠る君の祈りを 叶えられない
 
そのシネ・ナントカに行こう
お昼前に もし起きられたら
そのシネ・ナントカに行けば
出会う前の 君に出会えるなら
ジャンヌ・モンローみたいに 粋なポーズをしてた
 
ほんの小さなことで 泡になりそうだ僕ら
笑う君の横顔 見つめ切れない
 
そのシネ・ナントカに行こう
少し早く 部屋を出て行くよ
そのシネ・ナントカの前で
お洒落して来る 君を待ちながら
ジャンヌ・ギャバンみたいに くわえ煙草をしてさ
 
そのシネ・ナントカに行こう
出会う前の二人に会えるなら
そのシネ・ナントカの前で
走って来る 君に両手広げ
ジャンヌ・レノンみたいに
派手に抱きしめるのさ
 
そのシネ・ナントカに行こう
そのシネ・ナントカに行けば
 
© ikenoue yousui 2004

秋が似合う人

 詞 池の上陽水
秋が似合う人(神谷きよみさんへ)
 
秋に帰る人だと
初めから気づいていたのに
 
日焼け一つない肌を
長い袖のワンピースで隠して
 
君が膨らませたビーチボールが
水のないプールでしぼんでいる
 
テレビ付けない約束を
何度も君は破った
 
メイク片目忘れて
笑い転げたレストランも店閉まい
 
僕が膨らませたビーチボードは
いまも夢の浅瀬で溺れている
 
ふたり 飛ばしあった嘘のシヤボンが
いつか破裂しそうで触れなかった
 
日焼け止めの香りと塩辛い風
 
秋に帰る人だと
初めから気づいていたのに
 
© ikenoue yousui 2008

双子どうし

 詞 池の上陽水
双子どうし(神谷きよみさんへ)
 
ヨーヘン 君の夢の中に
ヨーヘン いつか僕は閉じ込められた (※2)
 
南半球の海へ向かう道を
凄いスピードで 自転車に乗って
回した手が少し苦しい
 
ヨーヘン 君の時の中に
ヨーヘン いつか僕は閉じ込められた
 
影一つもない白い部屋の中で
君と抱き合って転がり回って
いつか足がつながっていた 一つに
 
世界が嫌いな君と
君しか見えない僕と
いびつな心を合わせて歩いてけるかな
 
ヨーヘン 君の白いお腹に
ヨーヘン 耳を当てて出口探した
 
熱い雨が降るバスルームのなかで
君と抱き合って転がり回って
いつか足がつながっていた 一つに
 
未来が嫌いな君と  君しか知らない僕と
いびつな心を合わせて歩いてけるかな
 
そんな風に意地悪に そんな風に笑うのかい
いつか君は僕になっていた
 
そんな風に恥ずかしく そんな風に怒るのかい
誰か体 切り離してくれないか
 
© ikenoue yousui 1988
※2:脱字と思われる部分を補いました。(2010.6.9.なかむら@オヤスミ)

星のない国

 詞 池の上陽水
星のない国(林矢子さんへ)
 
5時のサイレンが埋め立て地のビルを揺らし
君は私服に着替える
昼の残りを映画館の隅で食べ
街は霧に包まれてゆく
 
星も見えない海で君は泳ぎ 遠い世界の波音を聞く
星も届かぬ部屋で君は眠り 行方知れずの弟を待つ
 
誰の誘いも首を振る 君はいつしか
仲間外れに されてゆく
20年が過ぎ変わらぬその美しさに
悪いが噂が広がる
 
星も見えない海に君は潜り 貝や魚とおしゃべりする
星も届かぬ森で君は唄い 行方知らずの弟を呼ぶ
 
星も見えない夜に僕と行こう
ずっと君を見つめていたんだ
星の輝く国へ 今夜行こう
決して秘密を言わないから
 
星も見えない夜に僕と行こう
ずっと君を見つめていたんだ
星の輝く国へ 今夜行こう
決して秘密を言わないから
 
© ikenoue yousui 2006

雪の銀貨

 詞 池の上陽水
雪の銀貨(kayokoさんへ)
 
君の町を 通り抜け バスは郊外へ
今日だけ雪を望む ゲンキンな群れ
 
踏み絵のような日々に 君は疲れた
夏の幻 探す 夜が始まる 始まった
 
全て失って 裸になれば
許してくれたのか君は
闇空に白い銀貨
 
君の町に 戻って 光る広場へ
贈り物を抱えた 幸せな群れ
 
君の寂しい指や 薄い耳たぶ
飾る幻を見る 夜は優しく 優しく
 
全て脱ぎ捨てて 裸足で行けば
迎えてくれたのか君は
手のひらで溶ける銀貨
 
星なら弾け散るほどに
長く生き過ぎた
 
全て失って 裸になれば
許してくれるのか神は
打ち鳴らせ鐘の音
 
今落ちていく
今落ちていく
 
© ikenoue yousui 2007

僕のバス

 詞 池の上陽水
僕のバス(casaへ)
 
鳶色の闇を裂いて
僕の漕ぐバスは走る
水色に白のライン
エンジンはミツビシ製だぜ
 
行く先のプレートには
「B団地」と書かれている
乗客は誰もいない
それは僕が止まらないから
 
子供が手を振る
駆け出し叫んでる
いたちが飛び出す
危うく引きそうさ
 
このごろは冷たいんじゃない
電話にも居留守ばかり
海へでも行けばいいの?
それじゃまず君のおうちだよ
 
制服はダブダブだ
角帽子破けている
邪魔者は誰もいない
なぜなら僕が盗んだから
 
都バスを追い越す
疲れた人たちが
ひしめきあってる
クラクション鳴らすよ
パッパー パーカ パーパー
 
君が車掌さんになっておくれ
 
老婆が横切る
慌てて急ブレーキ
免許はないから
安全運転だ
 
子供が手を振る
追いつきドア叩く
乗せてもいいけど
大人料金だよ
 
© ikenoue yousui 2010

鷹匠

 詞 池の上陽水
鷹匠(古賀夕紀子さんへ)
 
よく来たねと 頬に乾いた手をあて
星のあたる部屋へ 導かれてゆく ロロ‥‥
 
息を吸って 吸って 吸って
同じ痛みに 満たされたい
息を 吐いて 吐いて 吐いて
会えぬ名前 響かせたい 森の中ヘ
 
もう来るなと 朝の言葉は冷たく
懐かしい腕から 突き放されてく ロロ‥‥
あなたの肩に ずっとつかまり
同じ罪と 闘いたい
 
嘘を吐いて 吐いて 吐いて
呼べぬ名前 抱いて眠る 闇の中で
 
あなたの肩を 強く蹴って
遠い空へ 飛んで行こう
息を吸って 吸って 吐いて
喉を枯らし いつか呼ぶよ
その名前
 
天が怒り 街に撃たれ
羽を折られ 地に落ちても
 
遠い笛を 低い声を
風を頼り いつか戻る
腕の中へ
 
© ikenoue yousui 2007

女性の文字盤

 詞 池の上陽水
女性の文字盤(植田慶介くんへ)
 
火曜日のマドンナは 九時半に僕の前で
伝票とメモを渡し
経理番の指先が 震えるのを見つめる
 
白銀の ブラウスの 聳え立つ頂きから
崖に咲く植物の 甘い蜜の匂い
何故僕なのか
 
女性の文字盤の上で 僕の秒針は
うつむき 折れ曲がったままで
ただ廻ったまま 夜を嘆くだけ
 
月曜日マドンナは 九時半に体を折り
泣きながら部長へ詫びる
髪に隠れた横目が 僕を見て笑う
 
女性の文字盤の上で 僕の短針は
先へも後戻りも出来ず
ただ震えたまま 朝を待つだけ
 
女性の文字盤の上で 僕の半身は
前へも後ろへも動けず
まだ回ったまま 全て漏らすだけ
 
名前を呼んでも君は見えない
針は広げてもソコにはいない
手探りをしても君に触れない
数字を吐くほど君は悦ぶ
 
© ikenoue yousui 2008

雨雲過ぎたら

 詞 池の上陽水
雨雲過ぎたら(ううじんへ)
 
すももみたいな 小さなこぶし
広げた手のひらから木の実がコロリン
 
街へ戻ったら土に埋めるよ
お礼に楽しい唄を教えてあげる
 
雨雲踏んだらしぶき弾けて
虹がかかった
 
落ち葉が舞って言う
生まれ変わるよと
あかね色の国
 
椿の香り銀色の髪
訛りは優しい民謡のよう
 
何にもないからさあって 朝早く起きて
風呂敷いっぱいお弁当持たせてくれた
 
雨雲過ぎたら船に乗ります
今度は北へ
 
鳥たちが舞って言う
生まれ変わるよと
萌黄色の島
 
君の笑い顔は変わりませんか
君の宝物は光ってますか
 
僕は君に会うために遠くでいます
いつか君と会うために元気でいます
 
すももみたいな小さなこぶし
椿の香り銀色の髪
昔栄えて荒れ果てた街
初めてなのに懐かしい人達
 
© ikenoue yousui 1982

三つ目の猫

 詞 池の上陽水
三つ目の猫(キッチンへ)
 
町に冬が来て
君は暖かな南の学校へ帰っていった
 
僕は厚着して
夕暮れ帰り道  白い息を電灯にかざして
 
もう一度会わなくちゃ 三つ目の猫に
大学の跡地にいたんだ
 
早く見つけなくちゃ 三つ目の猫を
病気のあの子に 会わせたい
 
誰に話しても信じてくれないんだ
似顔絵を町じゅうに貼ったよ (※3)
 
君はまぶしい絵葉書くれるけど
電話に代わってはくれない
 
もう一度会わなくちゃ 三つ目の猫に (※3)
工場のサイレンに消えたんだ
早く見つけなくちゃ 三つ目の猫を
三つめの瞳は何色?
 
見つめられたら 気を失って
目を覚ましたら 走れるようになってたんだ
 
もう一度会わなくちゃ 三つ目の猫に
団地で足跡を見たのに
早く見つけなくちゃ 三つ目の猫を
あの子の病気を治したい
 
もう一度会わなくちゃ 三つ目の猫に
土管に煮干を置いといたよ
早く見つけなくちゃ 三つ目の猫を
元気なあの子に会いたい
 
© ikenoue yousui 2008
※3:誤字と思われる箇所を修正しています。(2010.6.9.なかむら@オヤスミ)

羊飼いのうた

 詞 池の上陽水
羊飼いのうた(千春さんへ)
 
羊を数えて 幾晩が過ぎた
そろそろぐっすり眠りつきたい
おじいさん 早く会いたいな
いつもの話を聞かせてよ
聞かせてよ
 
もういいかい まだかな
もういいかい まだだよ
 
あの子が旅立ち 幾年が過ぎた
そろそろこちらの暮らしに疲れた
おかあさん みんな元気かな
自慢のプリンを作ってよ
作ってよ
 
もういいかい まだかな
もういいかい まだだよ
 
もういいかい まだかな
もういいかい まだだよ
 
羊を数えて幾年が過ぎた
そろそろゆっくり眠り果てたい
 
© ikenoue yousui 2010

デッサン

 詞 池の上陽水
デッサン(スエヒロカズヒロくんへ)
 
もうじき眠りのない朝が降りてくる
便りをあきらめて画面を消し去る
人波に押されて窓の近くへ
君の部屋の辺り 遠く霞んでる
 
水彩画で出来た風景
黒いペンキを撒き散らす僕に
なぜ君は抱かれたの
ひとこともしゃべらずに
 
文字を交わすよりも声に触れたい
今夜も風まかせ酒に潜りこむ
虹を初めて見た 夏のベランダ
苦手なこの街が好きになってゆく
 
まっ白な君のドア
黒いスプレー書きなぐる僕を
なぜ君は許したの
ひとことも笑わずに
 
似ていない君のデッサン
コピー用紙にボールペンで書いた
なぜ君は抱かれたの
ため息もつかないで
 
© ikenoue yousui 2010

パ・ド・シャ

 詞 池の上陽水
パ・ド・シャ(犬塚彩子さんへ)
 
閉じ込めた 想いを籠から
取り出して 撫でてみる
何気ない 言葉が次から
飛び付いて 爪を立てる
 
暗闇の中光る 赤いリズム
 
パ・ド・シャ パ・ド・シャ
猫が踊る 月の灯りで
パ・ド・シャ パ・ド・シャ
君よ眠れ 月も知らずに
 
ぶり返す痛みを胸から
取り出して触れてみる
優しさは嘘の裏返し
微笑みに目をそむけて
 
暗闇の中揺れる
赤いリズム
 
パ・ド・シャ パ・ド・シャ
猫と踊る 月のテンポで
パ・ド・シャ パ・ド・シャ
君よ眠れ 夢も見ないで
 
過ぎ去りし日々たちを
そっと葬らせて
 
パ・ド・シャ パ・ド・シャ
猫と踊る 月の灯りで
パ・ド・シャ パ・ド・シャ
君よ眠れ 僕を忘れて
 
パ・ド・シャ パ・ド・シャ
猫と踊る 月のテンポで
パ・ド・シャ パ・ド・シャ
君よ眠れ 僕を忘れて
 
© ikenoue yousui 2010

チョーチョ

 詞 池の上陽水
チョーチョ(犬塚彩子さんへ)
 
時計外し 目を閉じる
息をひそめ 朝を待つ
やがて君は光り出し
ガラスの箱 突き破る
科学を超えて飛ぶ
羽をもがれた僕たちは
春のパワーでゆく
空色になり 白紙の地図 握りしめて
 
記憶の糸 巻き戻し
言葉の傷 ゴムで消す
そして僕は背を伸ばし
鉄のさなぎ 突き破る
手を振り回し飛ぶ
強いキックで空を蹴ろ
君と並んでゆく
海を見下ろし 風の便り 置き手紙にして
 
バタフライで離陸
ANAを追い越しサヨオナラ
雲を抜けて加速
ハチミツが湧く大陸へ
科学を超えて飛ぶ
羽をもがれた僕たちは
春のパワーでゆく
鳥と並んで 君の手を取ってゆく ルルルル
 
© ikenoue yousui 2008

ばら園

 詞 池の上陽水
ばら園(犬塚彩子さんへ)
 
海を見下ろす 白ぬりの家は
色とりどりの薔薇に囲まれてた
 
ふざけあった 小さなプールに
花びら浮かび
背伸びしてた眩しい日々は
終わらない気がした
 
今 君の香りに溢れる楽園で
君の知らない美しい人と
抱き合いながら
光の中で 未来を誓う
 
白いワインとシーフードに酔って
キスをしながら砂浜歩いた
 
旅立ちの朝 泣き出しそうな僕を
「男でしょう?」って抱きしめてくれた
 
海へ続く坂道を 二人乗りして
叫びながら 下ってゆく
飛べそうな気がした
 
今 君の香りに溢れる楽園で
君に似ている美しい人と
微笑みながら
光を浴びて 未来をかたる
 
今 君の香りに溢れるばら園で
君の知らない美しい人と
抱き合いながら
そよ風浴びて 未来を祈る
 
君の香りに包まれながら
未来を誓う
 
© ikenoue yousui 2010

灯台へ

 詞 池の上陽水
灯台へ(犬塚彩子さんへ)
 
少しだけ長く爪を伸ばしてみたい
しばらくオヤスミと ギターの糸をゆるめ
このまま始発で あなたの町に帰ろう
 
おどろく顔 寝ぐせ頭
そのままでいい
半島の先へ 乗合バスに乗って
あなたと揺られて 眠りに落ちてゆく
 
もしも舟が壊れててもいい
もしも太陽が落ちていてもいいね
灯台がまだ
そこにあるはず
 
伸びた爪落とす前に染めてみたい
木漏れ日が覗いてる懐かしい窓辺
あなたと何度も出会って 離れてく
 
もしも夢が遠すぎるのなら
もしも星が見えないなら
言って
灯台がほら 光ってる
 
もしも波に流されてもいい
もしも嵐に目を閉じてもいいね
行って
灯台がほら そこにある
 
少しだけ 長く髪を伸ばしてみたい
明けてゆく遠い空に サヨナラと言って
 
© ikenoue yousui 2003

パヴァーヌ

 詞・曲 池の上陽水
パヴァーヌ(ariさんへ)
 
淡く頬染めた君の
指先が滑り出す
拍手に応えた曲は
逝ける時のパバーヌ
 
届いたチケットには
外国語の苗字が
眩しくてひとみ閉じる
大きなホールの闇にもたれて
 
右の指が 奏でるほど
蘇える細い痛み
二度と会わないでと
なじりながらも抱かれた
 
いつか暮らし始めていた
ピアノも置けない部屋で
僕の浅い夢信じて
君は酒場で弾いた
 
うまく行かないとすぐに
あたってばかりいたね
幸せに気付かないで
嫉妬しているよ あの頃の僕に
 
左手が 奏でるほど
蘇えるあの温もり
唄は捨てないでと
寝言のように言ったね
 
立ち上がる拍手の中
摺り抜けて夜の街へ
いつか亡くしたはずの
遠い調べ 今 小さく強く
 
© ikenoue yousui 1982

コム・デ・ギャルソン

 詞 池の上陽水
コム・デ・ギャルソン(伊澤啓太郎くんへ)
 
キューティー キューティー
キュートな キュートな君に夢中だ
 
腕を組みトボトボと歩く君
背中越し泣いてるのがわかる
世界中を1人でしょいこんで
もげそうな羽を抱きしめる
 
赤茶色 猫っ毛の髪
フランスの少年みたいだ。
 
心に咲く蓮の花
甘い息薫らせて飛ばせ
 
瞳閉じて 叫びながら
ブリキのドラム叩けよ
 
留守番電話の奥 隠れて
月曜日 眠る君が見える
メッセージ送るから出ておいで
全て捨てるから海へ行こう
 
短い髪 青い胸
フランスの少年みたいだ。
そうだ 君は悪くない
飛べない羊にされる前に
 
背中の声 振り向かずに
光に沿って進めよ
 
1人背中丸めて
ランチのまずいコーヒー飲んでる
窓の外流れてく
黒い小さな沢山の風船
 
その一つが 俺だっても
ライフルを打ち続けろよ
 
© ikenoue yousui 1986

雪の銀貨 feat. kayoko

 詞 池の上陽水

Kayoko (vo.gt) Haru Takamichi (cb)
雪の銀貨 feat. kayoko
 
君の町を 通り抜け バスは郊外へ
今日だけ雪を望む ゲンキンな群れ
 
踏み絵のような日々に 君は疲れた
夏の幻 探す 夜が始まる 始まった
 
全て失って 裸になれば
許してくれたのか君は
闇空に白い銀貨
 
君の町に 戻って 光る広場へ
贈り物を抱えた 幸せな群れ
 
君の寂しい指や 薄い耳たぶ
飾る幻を見る 夜は優しく 優しく
 
全て脱ぎ捨てて 裸足で行けば
迎えてくれたのか君は
手のひらで溶ける銀貨
 
星なら弾け散るほどに
長く生き過ぎた
 
全て失って 裸になれば
許してくれるのか神は
打ち鳴らせ鐘の音
 
今落ちていく
今落ちていく
 
© ikenoue yousui 2007

パヴァーヌ feat. ari

 詞・曲 池の上陽水

ari (arr.pf.vo)
パヴァーヌ feat. ari
 
淡く頬染めた君の
指先が滑り出す
拍手に応えた曲は
逝ける時のパバーヌ
 
届いたチケットには
外国語の苗字が
眩しくてひとみ閉じる
大きなホールの闇にもたれて
 
右の指が 奏でるほど
蘇える細い痛み
二度と会わないでと
なじりながらも抱かれた
 
いつか暮らし始めていた
ピアノも置けない部屋で
僕の浅い夢信じて
君は酒場で弾いた
 
うまく行かないとすぐに
あたってばかりいたね
幸せに気付かないで
嫉妬しているよ あの頃の僕に
 
左手が 奏でるほど
蘇えるあの温もり
唄は捨てないでと
寝言のように言ったね
 
立ち上がる拍手の中
摺り抜けて夜の街へ
いつか亡くしたはずの
遠い調べ 今 小さく強く
 
© ikenoue yousui 1982

新しいビール feat. 島崎智子

 詞・曲 池の上陽水

島崎智子 (p.vo)
新しいビール feat. 島崎智子
 
テレビのコマーシャルで微笑踊る君が教えてくれたビール
弾ける泡の中で手招く眩しい季節 いくら飲んでも酔わない
爽やかにキャスターは「行ってらっしゃい!」って言うけど
白いシャツもタイも とうに捨ててしまった
 
見下ろす街は猛暑 「記録的です。今日も」 ノー天気な君が告げる
リモコンだらけの部屋 灯台守のように飛び込む夢を見てる
胡散臭い予言者が未来を呪う
終わるなら終われ 長い暇つぶし
 
いつまでも少女のふりはもう飽きたって
出てゆく君は立たない僕を笑った
おなかはいっぱい 胸がすいたよ
咲かないカトレア マシュー・モディーン
 
くすぶる僕を濡らす君の甘いささやき 全てを忘れるほど
 
どんなに押しても巻き戻せない
それが現実みたい それでも見たい
 
いつまでも夢を友達に言っていたら (※4)
僕はいつしか嘘つきにされていたんだ
おなかはいっぱい 胸がすいたよ
鳴かないカナリヤ マシュー・モディーン
 
今、オリンピックの君が
飛び込み台の上からプールに落ちてゆく
 
いつまでも少年のつもりでいたのに
僕はジーンズが似合わなくなってしまった
おなかはいっぱい 胸がすいたよ
おなかにいっぱい 涙が詰まってる
おなかはいっぱい 胸がすいたよ
飛べないカナリヤ マシュー・モディーン
 
今度の時報に合わせて
ドルフィンキックで僕も 深い夏の中にダイビング
 
© ikenoue yousui 1992
※4:誤植を修正しました。(2010.6.9.なかむら@オヤスミ)

三つ目の猫 (Short Version) feat. キッチン

 詞 池の上陽水

キッチン
三つ目の猫 (Short Version) feat. キッチン
 
町に冬が来て
君は暖かな南の学校へ帰っていった
 
僕は厚着して
夕暮れ帰り道  白い息を電灯にかざして
 
もう一度会わなくちゃ 三つ目の猫に
大学の跡地にいたんだ
 
早く見つけなくちゃ 三つ目の猫を
病気のあの子に 会わせたい
 
誰に話しても信じてくれないんだ
似顔絵を町じゅうに貼ったよ (※5)
 
君はまぶしい絵葉書くれるけど
電話に代わってはくれない
 
もう一度会わなくちゃ 三つ目の猫に (※5)
工場のサイレンに消えたんだ
早く見つけなくちゃ 三つ目の猫を
三つめの瞳は何色?
 
見つめられたら 気を失って
目を覚ましたら 走れるようになってたんだ
 
もう一度会わなくちゃ 三つ目の猫に
団地で足跡を見たのに
早く見つけなくちゃ 三つ目の猫を
あの子の病気を治したい
 
もう一度会わなくちゃ 三つ目の猫に
土管に煮干を置いといたよ
早く見つけなくちゃ 三つ目の猫を
元気なあの子に会いたい
 
© ikenoue yousui 2008
※5:誤字と思われる箇所を修正しています。(2010.6.9.なかむら@オヤスミ)